霊能探偵
「それなに?」とアスールは訊いた。 向かいに座るラランの前には見たことがない飲み物のグラスが置かれている。2人とも霊能探偵の仕事を終えて帰ってきたところだ。 「だってギドリーが『魂のかけら』くれないんだもん」とラランは言った。 ここのところず…
ラランとアスールに頑張ってもらってわかったいろいろ〜。 調査中、浮遊霊に魂を捧げた時や、贈り物をして成功した時に、消えていく浮遊霊が地面に残していくあれこれについて。 『魂のかけら』 魂を提供して「意気消沈(11時間ほど?)」に陥っても、これを…
「まさか自分がゴーストになっちゃうなんて」と、アスールはため息をついた。 数日前から2人は霊媒スキルに着手していた。スキルアップには余念のない2人、すぐに怪しい水晶玉が乗ったテーブルを手に入れると、霊能探偵の傍ら、霊との交信に励んでいた。毎回…
『連邦恐怖調査局』そのエージェンシーのサイトにはそう書いてあった。仰々しい、いや、非常に胡散臭い。権威を殊更大仰に主張しているようなその名前を除けば、ページには碌な説明もない。 あなたもエリート霊能探偵員になってみませんか?あなたの力でこの…
始まる前までの話をしよう。 その2人が、高校をドロップアウトしたのには理由があった。主に洗濯を楽しみたい、動物ともっと触れ合いたい、それから人魚になってみたい(まだ人魚の海藻を食べる勇気は持てていないようだが)、さらにできることならいつかエ…